11月の花の紹介 サザンカ
サザンカ
「困難に打ち克つ」。見た目そっくりなツバキとは表と裏の関係
日本特産の常緑樹で本州西端、九州、四国に自生します。
椿に似ていますが椿はにぎやかな春の花であるのに対してサザンカは晩秋の花です。同じツバキ科でありながら表と裏のような関係です。
サザンカは一つづつ枝の先に花が咲き、紅を帯びた白い花の五弁花です。花
心に多数の雄しべがあって、元の方だけが少しだけくっついているだけなの
で、散る時はバラバラに散ります。雄しべや花びらの下部が癒着して筒状態
になっているのが特徴です。品種によってよく似ているので、ツバキとサザ
ンカは間違えられることも多いのですが、ツバキは花が丸ごと落ちますが、
サザンカは花びらが個々に散ります。また、見た目では子房にサザンカは毛
がありますが、ツバキにはありません
名前の由来はツバキの漢名の「山茶」花から「さんさか」と変化して付けら
れたと言われています。学名はカメリカサザカ。1800年代に日本に長く滞在
して植物学に貢献したツンベルグが世界に紹介しました。
我が国で生まれ育った花木だけに多くの詩歌に詠まれています。絵の題材に
もなっています。文献に初めて登場したのは元禄7年(1694年)、貝原益軒の
「花譜(かふ)」で、それ以前はツバキしか記されていないとされています
。元禄年間には50品種も種類があり、江戸時代になってから栽培が盛んにな
ってと記されています。明治時代にはさらに親しまれ、170種類にまで増えま
した。
ヨーロッパには日本から1869年に渡り、1900年代になるとアメリカでも取り
寄せられ、実生が盛んになりました。
長い歴史を持つサザンカ。晩秋から初冬にかけて目を楽しませてくれます。
「さざんか、さざんか、咲いた道…」という童謡「たきび」のフレーズでも
知られる山茶花は、冬の花の代名詞。サザンカの花言葉は「困難に打ち克つ
」です。
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