2月3日「立春」。旧暦では新年の始まりです
2月3日、2021年の立春を迎えました。立春とは、春の兆しが現れてくる頃のこと。この時季以降、最初に吹く南寄りの強い風を「春一番」といいます。
昔の日本では、旧暦と呼ばれる太陰太陽暦をカレンダーとして使っていました。地球が太陽の周りを一周する時間の長さ一年と数えるのが、太陽暦。月が新月から次の新月に成るまでを一ヶ月に数えるのが太陰暦です。
明治5年になるまで、日本は太陽暦と太陰暦を組み合わせた暦で生活してきました。そして旧暦では春夏秋冬の四季を6等分した二十四節気(4✕6=24)という自然の呼び名があり、その24等分されたものをさらに分けて、七十二候という季節の出来事を名付けした暦の読み方があります。
日本人の感性が季節の感じ方ひとつとっても優雅で奥深いものだと解ります。
実はこれだけではありません。日本には古く清和天皇の頃、861年に制定された宣明暦というものがあり、この宣明暦では、一ヶ月を月が27日と半日で全天を一周することから「二十八宿」という暦が使われてきました。インドから中国を経て伝わった仏教暦学で、「宿曜道」と呼ばれたものです。天皇陛下のいらっしゃる宮中は、この暦に則って儀式を行いました。
まずは、日本人に身近な、七十二候を楽しみましょう。
二十四節気は春分の日を一年の始まりとします。そのため、立春が旧暦では正月でした。一年の終わりに福を呼ぶため、節分の儀式を行い、「福は内。鬼は外」と豆を撒いたのです。
「楽しみは朝起きいでで、昨日までなかりし花の咲さける見る時」(橘曙覧・独楽吟)。
2月4日は二十四節気の「立春」。七十二候の「東風凍を解く」です。東風とは春風のこと。春は東を司る季節なので、「東風」と呼ばれます。元は中国が発祥なので、日本の南風と異なる方角から吹く風になります。
「東風吹くや 耳現はるる うなる髪」(杉田久女)
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。